横浜中田教会 説教要旨 2024年11月17日

イザヤ書第59章15節~20節 (旧1159頁)

エフェソの信徒への手紙第6章10節~17節 (新359頁)

パウロは「最後に言う」と、自身が置かれている危機的状況とエフェ

ソの教会が直面する試練に目を向けています。パウロが伝えたいのは、

私たちが信仰生活を生きるうえで必要な強さがどこから来るのかとい

うことです。それは「主にある」ことで得られるものであり、自分自身

の力や努力ではありません。福音によって私たちは神と和解し、教会と

いうキリストの体として結ばれました。しかし、世の中には信仰を引き

離し、疑いや不安を植え付ける悪の力が満ちています。この悪魔の策略

に立ち向かうには、「主の偉大な力」に依るしかありません。

そのために必要なのが「神の武具」を身に着けることです。パウロは、

信仰生活の試練を「邪悪な日」と呼び、その日々を耐え抜くために、神

が与える備えを完全に受け取りなさいと勧めています。この武具には 6

つの要素があります。真理の帯、正義の胸当て、平和の福音を告げる履

物、信仰の盾、救いの兜、そして霊の剣、すなわち神の言葉です。これ

らは、私たちを守り、信仰を守るために用いるものです。

特に注目すべきは「霊の剣」が神の言葉であることです。この剣は誰か

を傷つけるためではなく、神の真理を伝え、励ましを与えるための道具

です。悪魔は私たちを不安に陥れ、神との関係を破壊しようとしますが、

私たちは自分が聞いた神の言葉によって平和の福音を告げ知らせ、信仰

の中で立ち続けます。これは防衛の戦いであり、既にキリストが勝利を

収めてくださった戦いなのです。

パウロは祈りを強調します。信仰の仲間を支えるため、説教者のため、

そして自分自身が主に留まり続けるために祈ること。それが、信仰の戦

いを支える力です。主に依り頼むとき、神の絶大な力が私たちのうちに

働きます。その力を信じ、揺るぎなく立ち続けましょう。真理を帯び、

正義を身にまとい、平和の福音を告げる備えをしながら、主の偉大な力

によって強められていきましょう。