レビ記第19章1節~18節(旧191頁)
エフェソの信徒への手紙第4章25節~32節(新357頁)
エフェソ 4 章 25~32 節では、キリストに結ばれた者の新しい生き方
について述べられています。まず、「嘘をついてはいけない」「怒ったま
までいてはいけない」「盗んではいけない」といった道徳的な規律が紹介
されますが、パウロが伝えたいのは、それ以上にイエス・キリストを信
じ、救われた者としての新しい生き方です。この生き方は、ただルール
を守ることではなく、キリストに結びつき、その愛や恵みを生活に反映
させることです。
まず、嘘をつくことをやめ、真実を語ることの重要性が説かれていま
す。ここでの「真実」とは、単に思っていることを口にするのではなく、
キリストの福音や救いの喜びをもって他者に接することです。教会内で
は特に、この「真理」を信仰の兄弟姉妹に対して語り、互いを建て上げ
るように励まされています。
次に、怒りについて語られています。怒りそのものは否定されていま
せんが、その感情を罪へと発展させないように注意が促されています。
怒りをそのまま持ち続けると、悪魔の誘惑に陥りやすくなるため、日が
暮れる前に怒りを手放すことが勧められています。
さらに、盗みについても、ただ盗む行為をやめるのではなく、正当な
労働を通じて他者に分け与える生活が奨励されています。初代教会のよ
うに、得た収入を困っている人々と分かち合うことが、キリストの教え
に基づく生活の一部とされています。
最後に、聖霊の働きにより、私たちが新しい生き方を続けられることが
保証されています。互いに親切にし、憐れみの心を持ち、キリストが私
たちを赦してくださったように、互いに赦し合うことが求められていま
す。キリストの十字架の恵みによって、私たちは何度でも新しい生き方
を始めることができるからです。