聖書 ミカ書 第5章1-4節a マタイによる福音書 第2章1-12節
説教題 「喜びあふれて」 杉山 悠世 牧師
<説教要旨>
ヘロデ王がユダヤをおさめていた時代、東の方から占星術の学者たちがエルサレムのヘロデのもとを訪ねました。彼らは不思議な星によって、ユダヤ人の王の誕生を知って遠路はるばる旅してきたのでした。しかし、この突然の訪問と予想外のニュースにヘロデは不安を覚えます。自分の地位が脅かされるのではないかと恐れたからです。彼は祭司長や律法学者たちを集めて、旧約聖書に預言されているメシア(キリスト)はどこで生まれることになっているのかと尋ねました。彼らは、ミカ書に記された預言からそれがベツレヘムである事を伝えます。占星術の学者たちは喜び勇んでベツレヘムを目指しました。けれども、エルサレムの人々は誰一人、占星術の学者たちのように「ユダヤ人の王」の誕生を喜びません。拝みに行きたいとも思いません。皆、ヘロデ同様に自分たちの立場や、生活が変わってしまうこと、今ある者が失われることを恐れていたのです。
占星術の学者たちは、再び不思議な星に導かれて、遂に幼子イエスさまと母マリアのいる家を見つけました。まだイエスさまに直接お会いしたわけではないのに、不思議と占星術の学者たちの心は大きな喜びで満たされていました。彼らはイエスさまにまみえると、黄金・乳香・没薬を贈り物として捧げました。贈り物によって、イエスさまがどのような方であるかが示されています。黄金は王への、乳香は神への、没薬は死者へのささげものです。イエスさまが神の子として、天を統べるのと同じく地上を、世界を統べる真の王として世に降ってくださったこと。その為に、すべての人の救いの為に十字架におかかりなる方として生まれてくださったことが表されています。同時に、これらの贈り物は占星術の学者たちの宝であり、仕事の道具でした。人生を支えてきたものが占いから、イエスさまに変わったのです。自分の思い通りに生きる生き方から、キリストのために生きる生き方に。